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2021/01/22 column

[scene:column3] コーヒー豆の違いの見分け方

※この記事はcolon coffee roastersの「カスタムブレンドキット『scene』」をご購入し、ブレンド作りをする方に向けた記事です。

あなたは、コーヒー豆の情報を見て、どんなコーヒーかわかりますか?

今回sceneに入れている豆や、colon coffee roastersが扱っている豆は全てスペシャルティコーヒーという、世界流通量の5%程度しか流通していない高品質な豆です。
そういった豆は必ず、トレーサビリティ(追跡可能性)が重視されており、生産者や、生産方法の情報が公開されます。

今回は、そんなコーヒーの情報の読み取り方の一部を、説明します。

コーヒーの焙煎度

まずは、基本中の基本です。焙煎度、要するにどれだけコーヒー豆に熱を通したか、という指標になります。

よくコーヒーの味は「苦味」や「酸味」などとざっくり言われたりしますが、これらの強さは焙煎度に強く依存します。焙煎が深ければ苦くなるし、焙煎が浅ければ爽やかになります。生産国によっても違いはありますが、苦味が強いとか酸味が強いというのは豆の個性よりも焙煎度によることがほとんどです。

焙煎度は、大きく分けて浅煎、中煎、深煎です。まずは気になる店で浅煎、中煎、深煎を1種類ずつ試してみるといいかもしれません。(店によって得意な焙煎度があったりするので、なんとも言えませんが・・・)

また、焙煎度の表記は店ごとに様々です。例えば、colon coffee roastersでは、2021年2月現在5段階で焙煎し、下記のように表記しています。

中浅煎(ミディアムロースト)
中煎(ハイロースト)
中深煎(シティロースト)
深煎(フルシティロースト)
極深煎(フレンチロースト)

深く煎れば煎るほど、豆が黒くなり酸味が減って苦味が増していきます。豆の味をみるとき、まずはその豆がどんな焙煎度なのか確認してみると良いですよ。

ちなみにcolon coffee roastersでは、深煎でもコーヒー豆本来の個性である酸味を活かし、苦味が出すぎない焙煎を心がけています。
私たちに焙煎方法のこだわりがあるように、焙煎所によって焙煎の考え方が違い、同じ銘柄で同じような色・見た目の豆でも焙煎の仕方によって風味が異なります。奥が深いですよね。

コーヒーの生産処理方法

コーヒー豆の正体は、コーヒーノキという植物の果実の中にある種です。果実から種を取り出し、不要なものを取り除き乾燥させコーヒーの生豆まで仕上げるプロセスを「生産処理」というのですが、このプロセスにも種類があり、それによってコーヒーの風味が変わってきます。代表的なものを4つ紹介します。

ウォッシュド

水洗処理方式と呼ばれます。果肉から種を取り出し、発酵炉に入れた後に水で洗い流し、種の周りにある粘液質(ミューシレージ)を除去し、豆を乾燥させてパーチメントと呼ばれる硬い殻を脱穀します。

欠点豆が出にくく、クリアな風味にしあがることが多いです。クリーンな酸味は上質な味わいですよ。設備や大量の水を使うため、生産に比較的お金のかかる方法です。

ナチュラル

非水洗処理方式と呼ばれます。ウォッシュドは種の状態にした後乾燥させていたのに対し、ナチュラルの場合は実のまま乾燥させます。果肉の風味が豆に付いて個性的でフルーティなコーヒーになります。

乾燥させるのに時間がかかるため、カビや虫食いなどが起こりやすく丁寧なピッキング(欠点豆を取り除く作業)が欠かせません。

豆の名前には「ナチュラル」と表記されることが多いです。

パルプドナチュラル

ウォッシュドとナチュラルの良いとこどりがパルプドナチュラル。果肉を除去する点はウォッシュドと同じなのですが、粘液質(ミューシレージ)を残したまま乾燥処理に入ります。果肉の風味が程々に豆に移り個性的な味わいとなります。また、酸味もクリーンになるため、本当に良いとこ取りという感じ。

豆の名前に「PN」や「ハニー」などと表記されることもあります。

スマトラ式

インドネシアのスマトラ島で行われる独自の精製方法です。豆を2回乾燥させるのが特徴です。まずは外殻(パーチメント)がついた状態で豆を半乾きにさせます。その後脱穀して、生豆の状態でもう一度乾燥させます。

雨がよく降り、長時間屋外で乾燥させられないことから考えられた方法。生乾き状態で置いておく期間があったり殻に守られていない状態で乾燥させるため、カビなどの欠点豆が出やすいという弱点があります。

しかし、大地を感じる独特な風味(業界では「アーシー」と言います)は日本では根強いファンが多く、近年ではヨーロッパ諸国でも再評価されているようです。

豆の名前にスマトラ式と表記されることはあまりありませんが、インドネシアのマンデリンと呼ばれるものはほぼこちらの精算処理方法になります。

 

国や地域によって、得意な生産処理方法が異なり、それによってその国の豆の個性が一般的であったりします。

例えば、ブラジルはナチュラルやパルプドナチュラルが多いので、バランスがとれている中にも香りがある。
コロンビアはウォッシュドが多いので、クリーンでマイルドな風味が多い。

といった具合になります。

sceneの豆は6種類、色々な生産処理方法のものがあります。ぜひ、意識して飲み比べてみてくださいね。

コーヒーの産地について

有名な話ですが、コーヒーは産地ごとに風味に特徴があります。それは先述したように国によって得意な生産処理方法が違ったり、生育環境が違ったり、コーヒーの品種が違ったり、はたまた国の方針でこだわったコーヒーを作っていたりするからです。色々飲み比べていると少しずつキャラクターが見えてきます。

大きくは南アフリカ(エチオピア、ケニア、ルワンダなど)、中米(グアテマラ、コスタリカ、パナマなど)、南米(ブラジル、コロンビアなど)、アジア他(インドネシア、インドなど)と分かれます。国によっても違いはありますが、まずは大きなイメージを。

南アフリカ:野性的で個性が強い
中米:上質な酸味
南米:バランスのとれた優等生
アジアなど:独自路線の個性派

といった印象です。もちろん、ざっくりとしたイメージですので、実際に世界地図を見ながら飲みくらべてみると近所の国でも風味が違ったりして、違いが楽しめますよ。

コーヒーの名前から豆由来の情報を読む

これまで紹介した焙煎度以外の情報は、焙煎する前のそれぞれの豆本来の個性の指標となります。そんな豆本来の個性を知るためのヒントが、コーヒーの名前には隠されています。

スペシャルティコーヒーの豆には、大抵長ったらしい名前がついています。
例えば、「ブラジルシティオトマジーニレッドカトゥアイPN」。
この名前には、4つの情報が入っています。

まずは、「ブラジル」国名です。
そして、「シティオトマジーニ」こちらは農園の名前です。
「レッドカトゥアイ」これは、豆の品種名です。
「PN」パルプドナチュラルのイニシャルで、生産処理方法を示しています。

次に「ケニアマサイAA」

こちらは「ケニア」国名。
「マサイ」こちらはブランド名になります。
「AA」ケニア国内での豆のランクになります。ケニアでは豆の粒の大きさでランクが決まります。

名前の付け方には決まりがあるわけではありませんが、わざわざ名前に入れるのには理由があります。

例えば、「ケニアマサイAA」の情報が少ないのには、ケニアの小規模農家から集めてよりすぐったものを「マサイ」というブランドにしたため、農園名が入れられない。
品種も、色々なものを混ぜているので、名前に入れられない。
生産処理方法も、ケニアでは一般的なウォッシュドを採用しているため、ケニア内の豆ではわざわざウォッシュドと入れても差別化にならない、などなど・・・

様々な理由があり、コーヒーの名前に色々なワードが入ってきます。

sceneの豆の特徴

さて、ここまでコーヒー豆の特徴の見分け方を説明しました。

最後に、sceneに同封されているコーヒー豆のcolon coffee roastersからのコメントを記載しますので、ブレンドの参考にしてください。もちろん、正解というわけではありません。
先入観なしでテイスティングしたい方は、ここから先はまだ読まないでくださいね!

それでは、ブレンドづくりを引き続きお楽しみください!

sceneの豆のコメント

・ブラジルシティオトマジーニレッドカトゥアイPN
柑橘系の明るい酸味が主張しすぎず、とても良いバランスです。ブレンドにもよく使われる使いやすい豆です。

・グアテマラアンティグアSHB
とてもバランスのとれた豆です。口当たりのまったりさやコクがあります。

・エチオピアイルガチェフェセラムナチュラル
フルーティな香りで、果実感が強い豆です。明るい酸味がありますが、主張の強い豆でもあります。

・パナマフィンカレリダSHB
明るい酸味で、バランスのとれた豆です。すっきりした風味で、主張もそこまで強くなく使いやすい豆です。

・ケニアマサイAA
芳醇な風味で、味の濃さと複雑さ、甘みが特徴的です。味に深みがほしいときに足したりします。

・インドネシアマンデリンポルンアルフィナー
マンデリンらしい独特な風味なので、ベースにもアクセントにも使えます。個性をもたせたい時に使いやすいです。